M&A・投資ブティック経営者の視点

日々の株式投資やFX投資に役立つマーケット戦略や、M&A情報をブティック経営の独自視点からお届けします

7月13日週の投資戦略記

■今週のサマリー: 米国重要企業の決算が連続

Wells Fargo: 失墜。Revenueも大幅減に加え、Net incomeは赤字着地。
JP Morgan: Credit Lossが大きくNet incomeは前年同期比51%減なものの、CORPORATE & INVESTMENT BANK (CIB)部門が前年同期比66%の増収で好調となり、コロナの悪影響ムードを払拭。
Goldman Sachs: Investment Banking部門が絶好調で、Net revenueで前年同期比36%増収、前期比22%増収。M&Aではなく、ECM、DCM部門でけん引。トレーディング部門の好調はJP Morganと同じで、同市場の快調ぶりが見て取れる。
Bank of America: Revenueが伸びなかったばかりか、引当金計上 (Credit Loss) が多額となりNet incomeで前年同期比半減。
Morgan Stanley: Investment Bankingは前年同期比39%増、トレーディングも同8%増と共に好調で過去最高益。

[Wrap up]
米金融企業はトレーディング収益が全体的に好調で、コロナに伴う引当金計上 (Credit Loss) の悪化によるマーケットへの悪影響ムードをある程度払拭した。

しかし、そうした好調な決算も市場の牽引役にはならず、止まらないどころか拡大の続くコロナウイルスへの不安視で株価の上値は極めて重い状況。

投資家心理としては、ある一定以上のキャッシュポジションを崩したくないという状況だ。

 

■Dailyでの振り返り

7月13日(月)
open
米マーケット高を引き継いで買い先行で始まるものの、積極的に買う材料が見つからず、今週は米中の重要指標や米企業決算が相次ぐこともあり、今日は特段動きが限られそう。為替は106円台に突入し、じわじわと円高ムード。これも、今週の決算発表でどう揺れるかに注目したい。

close
+493.93高。為替は107.03 (18:30現在)。コロナ感染の再拡大が重荷となって、リスクを積極的に取りに行く姿勢にはなりづらい。5Gやデジタル関連銘柄、災害に伴うドローン銘柄など個別株でトピックはあれど、日経平均が23,000円台に乗せるための材料にはなりにくい。明日からは、米企業決算発表が本格化する。

 

7月14日(火)
open
前日NYダウ+10.50。材料乏しく、売りでスタート、やや円安に。コロナウイルスが潜在意識となりキャッシュを厚めにもとうとする投資家の意識がマーケットに現れており、利確の動きが目立つ。日中は相場を動かす指標発表も限られ、動きは限定的となりそう。

close
197.73安。為替107.32 (18:40現在)。やはり日経は伸びない。個人投資家は個別銘柄の業績を睨みながら短期の利確を狙う投機的な動きが強まっていそう。為替は再び106円台になる可能性が高いと見ているので、売りポジションを入れよう。

 

7月15日(水)
open
前日NYダウ+556.79。日経平均は当然の反発スタートで、コロナウイルスの米ワクチン開発に向けた明るいニュースが下支え。JPモルガンはInvestment Banking部門の収益が好調で、コロナの悪影響を払拭。Wells Fargoは失墜。本日も米金融企業の決算に注目したい。おそらく23,000円台を乗せずに売りの動きが加速すると思っている。

close
358.49高。為替は106.90 (18:50現在)。日経平均は23,000円台がまさか見えてきた格好だが、今晩の米金融企業の決算発表でどうなるか。また、金融緩和策に対する要人の考えなども注目を続けたいところ。リスク選好のムードや、思いのほか個別株で好業績が出ている銘柄が多く、為替はしばらく106円台が続くのではないか。

 

7月16日(木)
open
前日NYダウ+227.51だが、日経平均はややマイナスからのスタート。今日は引き続き、バンカメやブラックロック等の米金融企業の決算が続いたり、中国GDP、欧州マクロ指標、米小売・製造業指数が相次いで発表され、投資家にとってはせわしない一日となりそう。ゴールドマンサックスの決算好調が心理を良くしている。

close
JPMorganやGoldmanSachsが不安を払拭する好決算を出しており、本日夜のNYダウはもう一段高く付くかもしれない。為替は円高が続いており、必ずしも決算発表がリスクを取る動きに繋がっていないのが投資家の潜在意識の怖いところ。ドルは保有キープでいく予定。

 

7月17日(金)
open
前日NYダウ-135.39で、見事に予想が外れた。米製造業指数の回復、中国GDPの好感、金融決算の好調により、ややリスクを取る動きを見せてきたし、為替もやや円安に振れてきた。しかしコロナは根強く、NYダウは値下がり。今週の指標発表はひと段落したため、週末は値動きが落ち着きそう。保有資産はキープする。

close
73.94安。為替107.17 (18:30現在)。コロナの再拡大に揺さぶられ、いまいち抜け出せないのが今のマーケット。米金融大手の相次ぐ好決算もコロナの潜在リスクには及ばず、株を買い増す勇気は出ない。


■来週の注目視点

・コロナ感染拡大と、ワクチン開発ニュースの展開が投資家の最大の焦点に
・ハイテク株が伸びるも、利益確定売り
・米事業会社の決算が相次ぐ
・製造業購買担当者景気指数や国内消費者物価指数、米中古住宅販売件数などが発表予定だが、いずれも市場へのインパクトは限定的で、コロナウイルスのニュースにかき消されると想定